先日、お客様がコレクションを見て「肉みたい」と言われ、「なるほど」と思った石。
ピンクのチューライト(Thulite・桃簾石・とうれんせき)

確かに霜降りブロック肉っぽい。
「ゾイサイト(Zoisite)」の一種で、マンガンとチタンによりピンクや赤に発色したもので不透明な石を指します。
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ゾイサイトは1805年にオーストリアで発見され、スロベニアの「ジグムント・ゾイス」という人物の名前に因んで名付けられました。
それまではトルマリンと思われていたそうです。
和名は灰簾石(かいれんせき)
「灰」はカルシウムのこと。
「簾(すだれ)」はチューライトの横側に見えるように縞々模様、または黒赤点からかな?
鉱物は入る成分によって色が変わり、色ごとに「通り名」が付けられる場合もあります。
◾️チューライト(Thulite)
マンガンとチタンによりピンクや赤
◾️アニョライト(Anyolite)
クロムにより緑
ルビーと共生しているものは「ルビーインゾイサイト(Ruby in zoisite)」と呼ばれるが、「アニョライト」とイコールになっている。
◾️タンザナイト(Tanzanite)
バナジウムが多いと青、クロムが加わると紫
そう、あの「タンザナイト」はこの肉と同じ種類の石です。
タンザナイトは1967年に発見され「20世紀最大の発見」と言われました。
ティファニー社が「タンザナイト」と命名して、それが宝石名(流通名)として有名になりました。
「ブルーゾイサイト」が正式名です。
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◾️チューライト


1820年にノルウェーのテレマルク・ソーランドで発見されました。
マンガンと鉄によりピンク〜赤に発色している不透明な石。
名前は北欧神話に登場する伝説の「チュール島(Thule)」が語源と言われています。
神話の中では「世界の果てにある島」と語られています。
しかし、正確な場所は未だ不明だそうです。
チューライトの産地は
ノルウェー、オーストリア、北カリフォルニア、ワシントン州など限られています。
和名は桃簾石。
多分、色から桃になったと思われます。
可愛い名前です。
別名として紅翡翠、ピンク翡翠。
もちろん翡翠とは別の鉱物です。
その語源、色味から
◉意味
未知の世界に挑む、新しい場所へ導く、旅のお守り
女性性の認識・母性・女性のお守り(出産や子宝)
癒し・慈愛
ちなみに透明なチューライトもあり、そちらは「ピンクゾイサイト」と呼ばれます。
非常に希少なもので、あまり見かけません。
また「タンザナイト」が有名になったので「ピンク・タンザナイト」と紹介されていることもあります。
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◾️ルビーインゾイサイト/アニョライト




赤いルビーを伴って採掘される緑のゾイサイト。
「アニョライト」とも呼ばれます。
語源はタンザニアのマサイ族の「緑」を意味する「アニョリ(anyoli)」に由来すると言われています。
補色の色の組み合わせなのでインパクトがあり、華やかです。
こちらはスイカのようです。
混合石なので和名は「紅玉の入った灰簾石」になりましょうか。
アフリカやアジアでは儀式や装飾に使われていて、マサイ族では今でも儀式やヒーリングに利用しているそうです。
タンザナイトの発見まで、こちらが「宝石」として扱われていました。
今も原石、タンブル、ブレスレット用の丸玉で入手可能です。
かなりクセが強いのでタンブルがオススメ。
ゾイサイトには白いカルサイトが入ることもあります。
ルビーと緑のゾイサイトの組み合わせとして
◉意味
抑圧されたエネルギー解放し、心身に自由をもたらし、活力・生命力をアップさせる。
心の治癒(ヒーリング)
人の中の野生的な部分を活性化させ、創造するエネルギーを高める
「アニョライト」に共生しているルビーは紫色が強いことが多く、厳密には「パープル・サファイア」だそうです。
産地はブラジル、タンザニア、ナイジェリア。
ルビーはUVライトでかなり強く赤に蛍光します。

写真のチューライトはノルウェー産。
ルビーインゾイサイトはタンザニア産。