モルガナイト

◉4月の誕生石(日本)

モルガナイト(morganite)

①優美さ、女性的側面を高める、思いやりの心、清純、愛を育む、持ち主の魅力を引き出す、心に残ったトゲを優しく溶かしていく

②先見の目を持ち、仕事や未来を良い方向に導く

2021年に新しく日本の4月の誕生石に加わった石。
アクアマリン、エメラルドと同じベリル族です。 
ベリル族は様々な宝石があることから「宝石の母」と呼ばれています。

モルガナイトが最初に発見されたのは1910年、マダガスカルと言われています。

タロットの定番・ライダー版が出版された年です。

鉱物としては比較的新しい石。
なので言い伝えや神話との関係は見つかりませんでした。

①については、モルガナイトの色味、雰囲気から。

モルガナイトは薄色オレンジ〜ピンクの石。

ピンクで透明度が高いほど良質とされていますが、この微妙なオレンジピンクはモルガナイトの最大の魅力。

天然石には意外とオレンジ色の石が少ないです。
サンストーンはオレンジの代表だと思いますが強すぎる時があります。

モルガナイトは柔らかく、心の癒しにもなるので私はオレンジ寄りも好きだし、非常に有り難い存在です。

個人的にはランクが上=欲しい石とは限らない派。
確かに美しさは比例することは多いけど、実際の石を見て、その後ランクを確認することが多いです。

手の上に乗せたタンブルがモルガナイトのピンクオレンジのバリエーションが分かりやすいかも。

どの石も唯一の個性ですが、特にモルガナイトは微妙に色が異なり、選ぶ楽しさは格別です。

魅力的な色合いはベリルに含まれるマンガンによるもので、含有量が多いとピンクが強くなります。

多くのモルガナイトは放射線処理がされています。

石が出来る過程で、マグマによる加熱。自然界にある放射線の影響を受けます。

天然石の需要が高まり、人間の手による加熱処理、放射線処理は天然石の成長のスピードを上げるものとして一般的です。

②については命名、誕生石の由来から

1910年に発見された時はローズ色のベリルと認識され、ピンクベリル、ローズベリルと呼ばれていました。

その後、Tiffany社のジョージ・フレディリック・クンツ博士(Dr. GeorgeFrederik)が様々な鑑定を行います。

そして1910年12月、自身の重要顧客であり、投資家でもあるジョン・ピアン・モルガン(John Pierpont Morgan)に捧げる石として「モルガナイト」と命名し、ニューヨーク科学アカデミーで正式に承認されました。

世界的に有名な銀行持株会社JPモルガン・チェースの創始者です。

②の意味は銀行王であり、次々と新しいことを始めて成功したモルガン氏に由来すると思われます。

モルガン氏の誕生石が4月であること。
桜=優しいピンクの季節であることから4月の誕生石に加わりました。

③その他

ローズクォーツと似ています。

ローズクォーツのピンク色は水晶に不純物として微量の鉄やマンガン、チタンなとが入ったと言われていますが、まだまだ解明されていないようです。

比較をしてみました。
左がモルガナイト、右がローズクォーツ。

モルガナイトのほうが透明でキラキラ感があります。
角度による色の違いもあります。

ローズクォーツのピンクはぶっちゃけ内包物による濁り。それがピンクに見えるので、基本的にマットで透明感はありません。
濁りすら愛らしさに変える。

水晶同様クラックが入って虹が見えることはあります。

どちらも女性的な側面をサポートする石です。

デザインする時はマットなローズクォーツが合うか、透明感がありオレンジピンクが合うか、で決めています。

特に心を癒したい時にモルガナイトを選ぶことが多いです。